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たちを集めて、もう一遍初めからやろうと。そうしたら、学習塾に行っていた子が、こっちのほうがおもしろいと入ってきました(笑)。で、私は衣装をつくってやろうと思って京都に全部注文していたのですが、追加注文して、平成元年8月6日に私の劇場でやりました。
それから、2年後にもう一遍出てもらおうと思ったら、先ほどの横笛の子が大きくなってしまって中学に行ってしまったのでできなくなってしまった。2年待ってくださいと。それからさらに2年待ったんです。そうしたら、今度は、先ほどの氏子だけではできなくなった。それから、神主さんがいろいろな神社に出張します。その出張先も氏子だということで、ここも調べたんですけれども、そこの氏子もできない。しようがないから、私は町と話をしまして、校区制を払ってもらって、校区制にこだわらないで、町全体でこれを保存してもらえないかというところに話をもっていって、それで今やってもらっている。ですから、今度は行政の中へ「校区」というのが出てくるわけですね。
もう一つの問題は、例えば私がこのお神楽を復元します。で、衣装から何から買います。仮にこれを自治体がやるとすると、つくった衣装は「個人貸与」ということになるんです。これはできないんですね。それから、練習場も、私の劇場でやるなら私の劇場で練習するならばいいんですが、山の公民館だとかそういうところでやっているときには会場費が出ないんですよ。例えば、3,000万円つけてきますね。3,000万円つけてきましても、いろいろな条項を当てはめますと200万円しか使えない。調査に行く費用と当日の小屋の借り代とスタッフのお弁当代、これだけしか出ない。3,000万円出しても、いろいろな条項を当てはめますと、2,800万円は使えない。ですから、規制緩和をしてもらわなければいけないわけです。大変な規制緩和です。それで、私は6年かかりまして、「調整金」という名目で年度を越えて使えるように知事と話し合って、知事の決断でそれができるようになって、今私はそれを全国的に進めているんですが、確かに今ご指摘の問題があるんでございますね。行政側のさまざまな条件を当てはめますと、伝承芸能は動きがとれないということが……

 

井上委員今、後継者不足が大きなテーマになっているわけですけれども、この問題に関する教育とのかかわりは大事ですね。私が調査に行ったところの一つは福島県の檜枝岐村なわけですけれども、そこでは中学校のカリキュラムの中に「三番叟」を取り入れているんですね。それによって伝統芸能、歌舞伎に対する関心が高まってきている。それは学校が勝手にやったわけではなくて、教育委員会と相談してやっているわけです。やはり行政のそういう姿勢がそこにあらわれているんですね。
ただ、行政と文化・芸術とのかかわりでは、私は村井先生とは多少違ったことを考えています。要するに、先ほどからの話で担当者がかわってしまって、それがすたれてしまっ

 

 

 

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